海外旅行の準備を進める中で、「クレジットカードは何枚持っていけば安心だろう?」と悩む方は多いのではないでしょうか。
現金だけでなく、クレジットカードは海外での支払いや、いざという時の身分証明にもなり得る重要なアイテムです。
結論から言うと、海外旅行にはクレジットカードを複数枚(2枚〜3枚)持っていくのがベストです。
この記事では、なぜ複数枚必要なのか、どのようにカードを選び、組み合わせれば良いのか、そして海外で利用するときの注意点まで、海外旅行のクレジットカードに関する疑問を徹底解説します。
海外旅行にクレジットカードが複数枚必要な理由
「1枚あれば十分じゃない?」と思うかもしれませんが、海外では予期せぬトラブルが起こり得ます。
複数枚持つことには、以下のような明確なメリットがあります。
カードが使えない・決済エラーのリスクに備える
海外では、特定の国際ブランド(VISA、Mastercard®︎など)しか使えないお店があったり、カード読み取り機との相性や通信エラー、一時的なシステム障害などで、持っているカードが突然使えなくなる可能性があります。
1枚しか持っていないと、その場で支払いができず困ってしまいます。
盗難・紛失・磁気不良など不測の事態への備え
万が一、メインで使っているカードを紛失したり、盗難に遭ったり、あるいは磁気不良やICチップの破損で使えなくなってしまった場合、予備のカードがあれば支払いを続けることができます。
旅先でカードが全く使えない状況は避けたいものです。
カードブランドによる利用可能店舗の違いをカバー
VISAやMastercard®︎は世界中で広く使えますが、国や地域によってはJCBやAmerican Express®︎が強い場合もあります。
異なる国際ブランドのカードを組み合わせることで、より多くのお店やサービスで支払いができるようになります。
付帯保険や特典の使い分けで旅行をより充実させる
クレジットカードには、海外旅行傷害保険が付帯されているものが多いです。カードによって補償内容や利用条件(自動付帯か利用付帯かなど)が異なります。
複数枚持つことで、より手厚い補償を得たり、空港ラウンジ利用や優待割引など、それぞれのカードが持つ特典を使い分けたりすることができます。
結局何枚がベスト?おすすめの枚数と組み合わせ
では、具体的に何枚、どのブランドを組み合わせるのが良いのでしょうか。
【結論】2枚〜3枚を国際ブランド分散で持つのが基本
最もおすすめなのは「2枚〜3枚」です。
多すぎても管理が大変ですし、少なすぎると前述のリスクに対応できません。
そして重要なのが「国際ブランドを分散させる」ことです。
メインカードとサブカードの役割分担
持っていくカードは、メインカードとサブカードに役割分担させると管理しやすくなります。
- メインカード
最もよく使うカード。ポイント還元率が高い、マイルが貯まりやすい、付帯保険が充実しているなど、自分の旅のスタイルに合ったものを選びましょう。 - サブカード
メインカードが使えなかった時の予備、または特定の特典(空港ラウンジ利用など)を使いたい時用。メインカードとは異なる国際ブランドを選ぶのが基本です。
VISAとMastercard®︎の組み合わせが最強?
世界的な加盟店数を考えると、「VISA + Mastercard®︎」の組み合わせが最も汎用性が高く、安心です。
どちらか一方が使えなくても、もう一方でカバーできる場面がほとんどでしょう。
初めて海外に行く方や、どの組み合わせが良いか迷う方は、まずこの2大ブランドで揃えるのがおすすめです。
JCBやAmerican Express®︎を持つメリット・デメリット
- JCB
日本発のブランドであり、日本人観光客が多いハワイ、グアム、韓国、台湾などでは加盟店が多く、独自の優待サービス(JCBプラザ ラウンジなど)も利用できます。しかし、欧米など地域によっては使えない場所も多いのが現状です。 - American Express®︎
ステータス性が高く、旅行関連の特典や T&E(トラベル&エンターテイメント)サービスが充実しています。ただし、加盟店数はVISA/Mastercard®︎に劣り、一部店舗では利用できないこともあります。年会費も高めな傾向があります。
これらのブランドは、VISAやMastercard®︎に加えて3枚目として持つことを検討すると良いでしょう。
カードの分散保管・携帯方法
複数枚のカードは、一箇所にまとめず、分散して保管・携帯することが鉄則です。
例えば、
- メインカードは財布に入れる
- サブカードはカバンの別のポケットや、ホテルのセーフティボックスに入れておく
万が一財布ごと盗難に遭っても、別のカードで対応できるようにしておきましょう。
海外旅行向けクレジットカードの選び方ポイント
どのカードを組み合わせるか決めるときには、以下の点をチェックしましょう。
【最重要】海外旅行傷害保険の補償内容を比較
付帯保険はカード選びの最重要ポイントのひとつです。以下の点を確認しましょう。
- 補償額
傷害死亡・後遺障害だけでなく、特に利用頻度が高い「治療費用」「疾病費用」「携行品損害」「賠償責任」の補償額が十分か。 - 付帯条件
カードを持っているだけで自動的に適用される「自動付帯」か、旅行代金などをそのカードで支払うことで適用される「利用付帯」か。利用付帯の場合は条件を満たす必要があります。 - 家族特約
家族カード会員だけでなく、カード会員本人と生計を共にする家族も補償対象となるか。
年会費とサービスのバランスを見る
年会費無料のカードでも海外旅行保険が付帯しているものはありますが、一般的に年会費が高いカードほど、保険の補償額が手厚かったり、空港ラウンジサービスなどの特典が充実していたりする傾向があります。
自分の利用頻度や求めるサービスに合わせて、コストパフォーマンスを考えましょう。
海外利用時の事務手数料(為替手数料)を確認
海外でカード決済をすると、日本円に換算する際に「海外事務手数料(為替手数料)」がかかります。
これはカード会社やブランドによって異なり、一般的に利用金額の1.6%〜2.5%程度です。
少しでもコストを抑えたい場合は、この手数料率も比較検討しましょう。
ポイント還元率やマイルの貯まりやすさ
海外での利用は金額が大きくなることも多いため、ポイント還元率やマイルの貯まりやすさも重要です。
普段使いも考慮して、自分にとってメリットの大きいカードを選びましょう。
緊急時のサポート体制(紛失・盗難デスク)
万が一、海外でカードを紛失したり盗難に遭ったりした場合に備え、24時間対応の日本語サポートデスクがあると安心です。連絡先を事前に控えておきましょう。
具体的なおすすめカードは?
海外旅行におすすめの具体的なクレジットカードについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
年会費無料のカードからゴールドカードまで、特徴やメリットを比較しているので、ぜひ参考にしてください。
海外旅行におすすめのクレジットカード比較!選び方や注意点も解説
海外でクレジットカードを使うときの注意点
便利なクレジットカードですが、海外で使う際にはいくつか注意点があります。
現金とのバランス:カード払いとキャッシングの活用
基本的にはカード払いをメインにしつつも、屋台やローカルマーケット、チップの支払いなど、現金が必要な場面も必ずあります。ある程度の現地通貨は用意しておきましょう。
現地で現金が足りなくなった場合は、クレジットカードの「海外キャッシング機能」を利用してATMから現地通貨を引き出すことも可能です。
ただし、利息やATM手数料がかかる点には注意が必要です。
不正利用・スキミングから身を守る方法
- カード決済時は、カードから目を離さない。店員にカードを預けたまま奥へ行かせない。
- 暗証番号(PIN)を入力する際は、手元を隠す。
- スキミング装置が仕掛けられていそうな怪しいATMや端末での利用は避ける。
- 利用明細はこまめに確認し、身に覚えのない請求がないかチェックする。
暗証番号(PIN)の確認と管理
海外では、ICチップ対応のカードの場合、サインではなく暗証番号(PINコード)の入力を求められることが主流です。
出発前に必ず確認し、忘れないようにしましょう。
ただし、誕生日など推測されやすい番号は避けるべきです。
利用控えの保管と利用明細の確認
カードを利用した際の利用控え(レシート)は必ず保管し、帰国後に利用明細と照合しましょう。
万が一、不正利用や請求ミスがあった場合の証拠となります。
出発前に必ずチェック!準備リスト
海外旅行にクレジットカードを持っていく前に、以下の点を必ず確認・準備しておきましょう。
チェック項目 | 確認内容・準備すること |
---|---|
国際ブランドの確認 | 持っていくカードの国際ブランド(VISA、Mastercard®︎など)が分散されているか。 |
有効期限の確認 | 旅行期間中に有効期限が切れないか。 |
利用可能枠(限度額)の確認 | 限度額は十分か?必要であれば一時的な増枠申請を検討。 |
暗証番号(PIN)の確認 | 4桁の暗証番号を覚えているか? 不明な場合はカード会社に確認(再設定に時間がかかる場合あり)。 |
カード裏面の署名 | 署名欄にサインがされているか。 |
カード会社への連絡 (任意の場合も確認) | 不正利用検知システムによる利用制限を防ぐため、事前に渡航期間・国を連絡しておくと安心な場合も。 |
緊急連絡先 (紛失・盗難デスク)のメモ | カード会社の緊急連絡先(カード番号も控えておくとスムーズ)をメモし、カードとは別に保管。 |
付帯保険の条件・補償内容の確認 | 自動付帯か利用付帯か、補償額は十分か、保険会社連絡先などを確認。 |
海外キャッシングの設定確認 (必要な場合) | キャッシング枠が設定されているか、利用方法を確認。 |
まとめ:複数枚のカードを賢く使って安全・快適な海外旅行を
海外旅行に持っていくクレジットカードは、「2枚〜3枚」を「異なる国際ブランド」で組み合わせるのが基本です。
これにより、決済エラーや紛失・盗難、利用可能店舗の偏りといったリスクに備えることができます。
カードを選ぶときは、海外旅行傷害保険の内容を最優先に、年会費、海外利用手数料、ポイント還元率、サポート体制などを比較検討しましょう。
そして、出発前には必ず有効期限や利用限度額、暗証番号などを確認し、カード情報を控えておくなどの準備を怠らないようにしてください。現地では不正利用に注意し、カードと現金をバランス良く使いこなすことが大切です。
しっかり準備して、クレジットカードを賢く活用し、安全で快適な海外旅行を楽しみましょう!
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