証券口座の乗っ取りを防ぐ!安全なパスワード管理術と最新対策

近年、証券口座を狙った不正アクセスが深刻な問題となり、特に2025年に入って被害が急増しています。

この記事では、巧妙化する攻撃手口と、金銭窃取から市場操作にまでおよぶその目的をくわしく解説。

フィッシング詐欺やマルウェア、パスワードリスト攻撃などから大切な資産を守るため、強力なパスワード管理多要素認証(MFA)の活用、ソフトウェア更新といった具体的な対策を紹介します。

さらに、万が一被害に遭った場合の迅速な対処法や相談窓口、そして何よりも重要な自己防衛意識の持ち方まで、安全な投資活動に不可欠な情報をお伝えします。

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目次

証券口座への不正アクセスとその深刻な影響

最近、証券口座を狙った不正なアクセスや乗っ取りの被害が、深刻な問題になっています。

特に2025年に入ってから、日本のオンライン証券を使っている人たちのあいだで被害が急に増えており、個人の資産を増やすうえで、とても大きな危険になっています。

増え続ける証券口座へ不正アクセス

2025年1月から4月の終わりまでのたった4か月間に、国内の主なネット証券会社10社で3,505件の不正な取引が見つかり、その被害額の合計は約3,049億円にも達すると言われています。

この間、主な証券会社10社すべてが何かしら口座が乗っ取られる被害を受けたと報告されており、この問題がどれだけ広がり、深刻であるかを表しています。

「株価操縦」により広がる市場操作

こうした不正なアクセスは、ただ単に口座のお金が盗まれるという直接的な金銭被害だけではありません。

攻撃者は乗っ取った口座を使い、持っている株を勝手に売り買いしたり、特定の株 (最初は中国の株、その後は国内の取引が少ない株など) をたくさん買って株価を不当に吊り上げる「株価操縦」に悪い目的で使う例が報告されています。

このような手口では、被害者の口座には最終的に価値が大きく下がったり売ろうとしても売れないような質の低い株だけが口座に残ってしまうという、もっとひどい結果になることもあります。

攻撃者の手口が、これまでのお金を盗むだけの単純なものから、より大きな規模で組織的に市場を操作する、手の込んだ、高度なものになっていることは、個人投資家にとって新しい注意が必要だということです。

攻撃者がただの個人ではなく、市場の仕組みを理解して悪い目的で使う高度な知識を持った組織である可能性を示しており、その対策もますます複雑にならざるを得ません。

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なぜ証券口座が狙われるのか?攻撃者の手口と目的

証券口座がサイバー攻撃のターゲットになりやすい背景には、その特徴と攻撃者の目的が深く関わっています。

攻撃者にとって魅力的なターゲットとなる証券口座の特性

証券口座が攻撃者にとって魅力的なのは、まず、株や投資信託といったお金に換えやすい金融資産がたくさんまとめて置かれている点です。

これらの資産は、不正にアクセスできればわりと短い時間で売ってお金に換えることができます。

銀行口座から不正にお金を送るのと比べて、株の売買を通じたお金の移動は、ある程度、誰がやったかわかりにくい状態で、より大きなお金を動かせる可能性があるため、攻撃者にとっては効率よく狙える対象になります。

つまり、証券口座は攻撃者から見れば、価値が高く、すぐにお金に換えられる資産がひとつに集まった「宝箱」のようなものと言えるでしょう。

あなたの認証情報が盗まれる主な攻撃手口

攻撃者はさまざまな手口を使い、証券口座のログインに必要なIDやパスワードといった認証情報を盗み取ろうとします。

フィッシング詐欺:巧妙化する偽メール・偽サイト

フィッシング詐欺は、証券会社や銀行などの金融機関になりすました偽のEメールやSMS (ショートメッセージサービス) を送りつけて、利用者を本物そっくりの偽のログインページに誘導し、IDやパスワードを入力させる、昔からある手口ですが、いまでもとても強力です。

最近、これらの偽メールや偽サイトのデザインはとても手が込んできており、ぱっと見ただけでは本物と区別するのがむずかしい例が増えています。

特に、NISA (少額投資非課税制度) が広がっていることなど、社会的に関心の高いことや、証券会社がおこなうキャンペーンなどを悪い目的で使った手口も見られ、利用者の油断や関心につけ込んできます。

例えば、「セキュリティ強化のため」「お取引内容の確認」「口座に異常な活動が見つかりました」といった件名で利用者の不安にさせて、メール本文のリンクをクリックさせようとします。

誘導された先の偽サイトのURLは、本物の証券会社のドメイン名とそっくりですが、よく見ると一部が違っていることがほとんどです。

攻撃者は、利用者の信頼や「急がなければ」という気持ちをうまく利用し、冷静な判断をできなくさせてIDやパスワードなどの認証情報をだまし取ります。

偽サイトの完成度が高くなっているため、見た目だけで判断するのではなく、アクセスしているサイトが本当に正しいものか、常に疑う気持ちを持つことが大切です。

マルウェア・スパイウェア感染

利用者のパソコンやスマートフォンがマルウェア (悪い目的で作られたソフトウェア) やスパイウェアに感染することも、IDやパスワードなどを盗み取られる主な原因のひとつです。

キーロガーと呼ばれるマルウェアは、キーボードで入力した情報を記録して、IDやパスワードを盗み出します。また、インフォスティーラーという種類のマルウェアは、ブラウザに保存されたIDやパスワード、画面に表示されている情報そのものを記録して送りつける力を持っています。

これらのマルウェアは、あやしいメールの添付ファイルを開いたりウイルスに感染するように書き換えられたウェブサイトを見たりすることで、気づかないうちにパソコンやスマートフォンに入り込みます。

マルウェアに感染すると、利用者がどんなに注意してログイン操作をしても、その情報がすべて漏れてしまうため、とても危険です。

利用者自身のパソコンやスマートフォンが、内部から情報を漏らす「スパイ」のようになってしまうということであり、ただ安全なウェブサイトを見ているだけでは防げない危険だということです。

そのため、パソコンやスマートフォンそのもののセキュリティ対策、つまりエンドポイントセキュリティが重要になってきます。

パスワードリスト攻撃 (リスト型攻撃)

パスワードリスト攻撃 (リスト型攻撃とも呼ばれます) は、他のウェブサービスから漏れたIDとパスワードの組み合わせのリストを使って、証券口座へ不正にログインしようとする手口です。

多くの利用者が、複数のサービスで同じIDとパスワードを使い回しているという実際の状況を悪い目的で使ったもので、1度どこかでIDやパスワードが漏れると、次々と他のサービスでも不正アクセスの被害に遭う危険が高まります。

この手口の怖いところは、利用者自身が、直接フィッシング詐欺に引っかかったり、マルウェアに感染したりしていなくても、過去に使った他のサービスで情報が漏れたことが原因で、ある日突然、証券口座が乗っ取られる可能性がある点です。

パスワードの使い回しは、便利さと引き換えに、セキュリティの大きな弱点を作ってしまう行動であり、攻撃者にとっては効率のよい攻撃方法になっています。

多要素認証 (MFA) の不備・突破

多要素認証 (MFA) はセキュリティを強くするための効果的な方法ですが、その設定が不十分だったり、もっと手の込んだ攻撃によって破られてしまう例も報告されています。

利用者がMFAを設定していなかったり、比較的に安全性が低いと言われるSMS認証だけに頼っている場合、危険性はまだ残っています。

もっと悪い例では、フィッシングサイトでIDとパスワードを入力させたあと、本物のサイトへログインしようとする攻撃者が、本物のサイトから送られてくるワンタイムパスワード (OTP) を、もう1度偽サイトを通して被害者に入力させて、そのOTPをすぐに本物のサイトに入力してMFAを破るという手口も見つかっています。

また、セッションクッキーという、ログインした状態を保つための情報を盗み出し、それを使ってMFAを避ける攻撃 (セッションハイジャック)もあります。MFAが絶対に安全というわけではないこと、そして攻撃者がMFA自体を狙い始めていることを表しています。

利用者はMFAの仕組みを理解し、OTPの入力を求められたときには、それが自分が始めた正しい操作なのかを注意深く確かめる必要があります。

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鉄壁の守りを築く!安全なパスワード管理術

証券口座をはじめとするオンラインサービスにおいて、パスワードはセキュリティの最初の関門です。

しっかりとしたパスワードを作り、正しく管理することが不正アクセスを防ぐための基本となります。

強力なパスワードの作成ルール

強力なパスワードとは、攻撃者にとって推測しにくく、機械的に片っ端から試す攻撃 (ブルートフォース攻撃など) にも耐えられるものを言います。

以下の要素を組み合わせることをおすすめします。

  • 長さ
    最低でも10文字以上、理想的には16文字以上がよいとされています。一般的に、パスワードは長ければ長いほど解読しにくくなります。
  • 複雑性
    アルファベットの大文字、小文字、数字、記号をバランスよく組み合わせることが大切です。
  • 推測されにくいこと
    名前、生年月日、電話番号といった個人情報や、「12345」「abcdef」「password」「aaaaa」のような単純な文字列やよくある単語、辞書に載っている単語は使わないようにしましょう。
  • 他のサービスと重複しないこと (ユニークさ)
    サービスごとに違うパスワードを設定することです。特に、証券口座のようなお金に関わるサービスでは、他のオンラインサービス (SNSや通販サイトなど) で使っているパスワードとはまったくちがう、そのサービスだけのパスワードを設定する必要があります。

パスワードの強さは、これらの要素が合わさることで強くなります。

長さ、複雑さ、推測されにくいこと、そして他のサービスと重複しないこと、これらすべてを満たすことで、パスワードリスト攻撃やブルートフォース攻撃といったよくある攻撃方法に対する強さが向上します。

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パスワードの適切な管理方法

強力なパスワードを作っても、その管理方法が正しくなければ意味がありません。

また、複雑で、サービスごとに違うたくさんのパスワードを覚えておくのは、人間にはとてもむずかしいことです。

そこで役に立つのが、パスワード管理ソフト (パスワードマネージャー) を使うこと。

パスワード管理ソフトを使うことで、人間が覚えるという負担を大きく減らし、サービスごとに強くて他とは違うパスワードを設定・管理するという理想的な状態にしやすくなります。

いまのオンライン環境で、実際に役立つ効果的なパスワード管理方法と言えるでしょう。

パスワード管理方法やおすすめのパスワードマネージャーについて、くわしくは「パスワード管理どうしてる?安心と便利を叶える最適解」をご覧ください。

パスワードの定期的な変更は本当に必要?

パスワードを定期的に変えることについては、一部ではすすめられています。これは、もしパスワードが漏れてしまった場合でも、そのパスワードが使える期間を短くすることで被害をできるだけ小さくするという考え方に基づいています。

しかし、最近のセキュリティ専門家の間では、この習慣に対する考え方も変わってきています。

とても強くて他とは違うパスワードを使い、さらに多要素認証 (MFA) が有効になっている場合、不正アクセスを受けていないのに定期的にパスワードを変えることには、セキュリティをさらに高める効果はあまりないという意見もあります。

むしろ、しょっちゅう変えることを強制されると、利用者が覚えやすいように逆に弱いパスワードにしてしまったり、パスワードの作り方が単純になったりする「パスワード疲れ」という状態になる可能性も言われています。

大切なのは、パスワードが破られたかもしれない疑いがあるとき (例えば、使っているサービスから情報が漏れたというお知らせがあったときや、あやしいログインが試みられたという通知があったときなど) には、すぐにパスワードを変えることです。

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パスワードの抜け穴を塞ぐ最新セキュリティ対策

手の込んだサイバー攻撃に対しては、強力なパスワード管理だけでは万全とは言えません。

複数のセキュリティ対策を組み合わせる「多層防御」という考え方が欠かせません。

不正ログイン防止の切り札といえる多要素認証 (MFA)

多要素認証 (MFA) は、IDとパスワード (利用者が知っている情報) に加えて、別の認証の方法を組み合わせることで、本人かどうかを確かめる確実さを高める仕組みです。

MFAの仕組みと種類

MFAで使われる追加の認証の方法には、主に以下のものがあります。

  • 持っているものによる認証
    • ワンタイムパスワード (OTP)
      スマートフォンの認証アプリ (Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなど) が作り出す、一定時間だけ使えるパスワード、SMSで送られてくる認証コード、専用の機械 (ハードウェアトークン) が表示するパスワードなど
    • メール認証コード
      登録したメールアドレスに送られてくる認証コードや画像 (楽天証券の絵文字認証など) を入力する方法
  • 体の特徴による認証
    指紋認証、顔認証、静脈認証など

これらの方法を組み合わせることで、もしパスワードが漏れてしまっても、他の人が不正にログインする可能性をおさえます。

ただし、MFAの方法によってセキュリティの強さには違いがあることも知っておく必要があります。

例えば、SMSで送られてくるOTPは、SIMスワップ詐欺 (携帯電話番号を乗っ取る手口) によって途中で盗まれる危険があると言われています。

一般的には、認証アプリが作り出すOTP (TOTP) や、FIDO (Fast IDentity Online) 認証のような、実際に物として持つセキュリティキーや体の特徴を使う方法が、より安全性が高いと言われています。

MFA設定の重要性と現状

MFAを設定することで、もしIDとパスワードが攻撃者に知られてしまっても、もうひとつの認証方法がなければログインできないので、不正アクセスの危険を大きく減らすことができます。

多くの証券会社ではMFAの機能を用意していますが、これまではその設定を利用者が自分で設定するかどうかを選べることが多く、あまり多くの人が使っているとは言えない状況でした。

しかし、最近の不正アクセス被害が急に増えたことを受けて、証券業界全体でMFAを導入し、必ず使ってもらうようにする動きが速まっています。

  • 楽天証券
    2025年6月1日から、すべての方法でのログインに追加の認証 (多要素認証) を必ず求めるようにする予定です。
  • SBI証券
    2025年5月31日以降、ログインのときの多要素認証 (デバイス認証またはFIDO認証) を必ず求めるようにする方針を示していて、お金を引き出すときには、すでに2025年5月9日から金額にかかわらず二要素認証が必ず必要になっています。
  • SMBC日興証券
    すでに日興イージートレードのログインのときに二要素認証 (ワンタイムパスワード認証) が必ず必要になっています。

これからはほとんどの証券会社でログインのときのMFAが当たり前のセキュリティ対策となる見込みです。

利用者1人ひとりの判断に任せるのではなく、業界全体としてセキュリティの基本的なレベルを上げるという点で、とても大切な進歩と言えます。

利用者は、各証券会社からのお知らせに従って、すぐにMFAの設定しましょう。

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ソフトウェアとOSのアップデートで脆弱性を塞ぐ

使っているパソコンやスマートフォンのオペレーティングシステム (OS)、ウェブブラウザ、いろいろなアプリケーション、そしてセキュリティソフト自体をいつも最新の状態にしておくことは、とても大切なセキュリティ対策です。

ソフトウェアには、作られたときには見つからなかったセキュリティ上の弱点、つまり「脆弱性」が後から見つかることがあります。攻撃者はこれらの弱点を悪い目的で使ってシステムに入り込んだり、マルウェアを感染させたりします。

ソフトウェアを作った会社などは、弱点が見つかると、それを修正するためのプログラム (パッチ) を配ります。これらの修正プログラムを使うことで、わかっている弱点をふさぎ、攻撃される危険を減らすことができます。

ソフトウェアのアップデートは、ただ新しい機能を追加するためだけでなく、セキュリティを保つために続けていくべき作業です。アップデートをしないことは、攻撃者に対してわかっている入り口を開けっ放しにしておくようなものであり、とても危険です。

自動更新機能を有効にするなどして、いつも最新の状態を保つよう心がけましょう。

セキュリティソフトを導入・活用してマルウェアを防御

信頼できるセキュリティソフト (ウイルス対策ソフトやマルウェア対策ソフト) を入れて、いつも最新のウイルス定義ファイルに更新しておくことも、証券口座を守る上で欠かせない対策です。

セキュリティソフトは、以下のような機能を通して、マルウェアの脅威からデバイスを守ります。

  • 見つかっているウイルスやマルウェアを見つけて取り除くこと
  • あやしいファイルを常に見張って、ブロックすること
  • フィッシングサイトや危険なウェブサイトへアクセスしようとしたときの警告やアクセスを止めること
  • キーロガーやスパイウェアといった、情報を盗み取ることを目的としたマルウェアの動きを見つけること

セキュリティソフトには、無料のものと有料のものがありますが、有料のものは一般的に機能がたくさんあり、サポートもしっかりしていることが多いです。自分が使う環境や予算に合わせて選ぶことが大切です。

セキュリティソフトは、他の守りが破られたときの最後の守りになることもあります。

マルウェアによってIDやパスワードなどの認証情報が盗まれることは、不正アクセスの大きな原因のひとつなので、この守りを固めることはとても大切です。

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安全なオンライン習慣が鍵

技術的な対策に加えて、利用者自身の日々のオンラインでの行動や習慣も、セキュリティのレベルを大きく左右します。

公式サイト・アプリの利用徹底

証券会社のウェブサイトにアクセスするときは、EメールやSMSに書かれたリンクから直接アクセスするのではなく、事前に公式サイトのURLをブラウザのブックマークに登録しておき、必ずそのブックマークからアクセスするようにしましょう。

また、証券会社が提供している公式スマートフォンアプリを使う場合も、必ず公式アプリストア (App StoreやGoogle Playなど) からダウンロードし、提供元が正しいことを確認してください。

フィッシング詐欺の多くは、偽のリンクや偽のウェブサイトへ誘導することで認証情報を盗み取ろうとします。

アクセスするときには、ブラウザのアドレスバーに表示されるURLが正しいドメイン名 (例:smbcnikko.co.jp) であるか、EV SSL証明書によりサイト運営組織が表示されているかなどを確認する習慣をつけることが、フィッシング被害を防ぐうえで効果的です。

いつもアクセスポイントが正しいものかを確認するという行動を習慣にすることが、不正アクセスの危険を減らします。

公共Wi-Fi利用時の注意点

カフェやホテル、空港などで提供されている無料の公共Wi-Fiは、通信が暗号化されていなかったり、セキュリティ設定が甘かったりする場合があり、第三者によって通信内容を盗み見られる危険があります。

このような安全性の低いネットワーク環境で、証券口座へのログインや取引といった秘密にしておくべき操作をおこなうことは避けるべきです。

外出先でどうしても証券口座にアクセスする必要がある場合は、スマートフォンのモバイルデータ通信 (4G/5G) に切り替えるか、信頼できるVPN (仮想プライベートネットワーク) サービスを利用して通信を暗号化するなどの対策をしましょう。

公共Wi-Fiは便利ですが、その便利さと引き換えにセキュリティが犠牲になっている可能性を常に意識しておく必要があります。

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不審なメール・SMS・広告への警戒

証券会社や金融機関、あるいは公的な機関を名乗る者からの、身に覚えのない、あるいは内容があやしいEメール、SMS、電話などには簡単に対応しないようにしましょう。

特に、口座情報 (ID、パスワード、暗証番号など) や個人情報を尋ねてきたり、緊急な状況を装って特定の操作 (リンクのクリック、ファイルのダウンロード、情報の入力など) をさせようとしたりするものは、フィッシング詐欺やマルウェア感染を狙ったものである可能性が高いです。

送信元のメールアドレスが本物のものとそっくりでも、巧妙に偽装されている場合があるため、アドレスだけで信用するのは危険です。また、最近ではSNS上で証券会社や日本証券業協会を騙った偽の広告が出される例も報告されており、注意が必要です。

どのような経路であれ、予期しない形で送られてくるデジタルな連絡に対しては、まず疑ってかかるという警戒心を持つことが、自分自身を守るための強力な盾となります。

攻撃者は利用者の信頼や焦りを悪い目的で使うため、行動を起こす前に一呼吸置き、それが正しいものかを確認する冷静さが求められます。

定期的な口座監視と通知設定の活用

ご自身の証券口座の状況を定期的に確認することも、不正アクセスを早く見つけ、被害を最小限に抑えるために重要です。

多くの証券会社では、過去のログイン履歴や取引履歴をオンラインで確認できるサービスを提供しています (例:SBI証券、SMBC日興証券)。これらの履歴を定期的にチェックし、身に覚えのないログインや取引がないかを確認する習慣をつけましょう。

週に1回程度のチェックでも、不正アクセスの兆候を早く捉えるのに役立ちます

また、証券会社が提供している各種通知サービス (ログイン通知、取引通知、出金通知、登録情報変更通知など) を有効にしておくこともおすすめです。特に、「普段利用しない端末からのログイン通知」や「海外IPアドレスからのアクセス通知」などは、不正アクセスの初期段階を見つける上でとても有効です。

これらの通知を受け取れるように、登録しているメールアドレスがいつも最新のものであるかを確認しておくことも大切です。

万が一、不正アクセスが発生したとしても、これらの監視と通知によって早く発見できれば、パスワードをすぐに変更したり、口座を一時的に止めたりといった迅速な対応を取ることが可能となり、被害の拡大を防ぐことができます。

利用していない口座の整理

過去に開設したものの、長期間利用していない証券口座がある場合は、解約するか、少なくとも一時的に利用できないようにするなどの措置を検討しましょう。

利用していない口座は、日常的な監視の目が行き届きにくく、不正アクセスや不正利用の兆候を見逃しがちです。

また、そのような口座に登録されている個人情報や認証情報が、古いセキュリティ基準のまま放置されている可能性もあります。たとえ口座内に資産が入っていなくても、乗っ取られた口座が不正な取引やマネーロンダリングなどに悪い目的で使われる危険もゼロではありません。

使っていない口座は、いわば「忘れられた負債」のようなものです。不要な攻撃対象となる可能性を減らすことは、シンプルですが効果的なリスク管理方法のひとつです。

証券会社側の最新セキュリティ動向

個人の対策と並行して、証券会社側もセキュリティ強化に向けたさまざまな取り組みを進めています。

以下に主要な証券会社の最近の動きをまとめます。

証券会社主な対策開始時期/状況
SBI証券ログイン時の多要素認証(FIDO/デバイス認証)必須化
出金時の二要素認証必須化(全額対象)
ログイン一時利用停止機能
追加認証(生年月日入力)
ログインMFA:2025年5月31日~
出金2FA:2025年5月9日~
ログイン停止:2025年5月9日~
生年月日認証:2025年4月25日~
楽天証券ログイン追加認証(絵文字による多要素認証)必須化(全チャネル)
リスクベース認証(不審アクセス時の電話確認)
MFA必須化:2025年6月1日~
リスクベース認証:2025年3月23日~
SMBC日興証券ログイン時の二要素認証(ワンタイムパスワード)必須化
取引パスワード
ログイン通知
ログイン・取引履歴確認
EV SSL証明書
24時間365日監視体制
ログイン2FA:必須化済み

これらの動きは、証券業界全体が脅威の高まりに対して積極的に対応し、セキュリティ基準を引き上げようとしていることを示しています。

一方で、これは利用者側にも、新しい認証方式の設定や、より厳しいセキュリティ方針への適応が求められることを意味します。

証券会社からのお知らせには常に注意を払い、指示に従って必要な対応をおこなうことが重要です。

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被害に遭いやすい人の特徴と自己防衛意識の重要性

不正アクセスの被害は誰にでも起こりうるものですが、特定の傾向を持つ人がより狙われやすいことも事実です。

そして、最終的に自分自身を守るためには、技術的な対策だけでなく、あなた自身のセキュリティ意識が不可欠となります。

不正アクセスのターゲットになりやすい傾向

以下のような特徴や行動パターンを持つ人は、不正アクセスの危険が高いと言えます。

  • セキュリティ意識が低い
    • 推測されやすい単純なパスワードを設定している(例:誕生日、電話番号、”password”など)
    • 複数のオンラインサービスで同じIDとパスワードを使い回している
    • 証券会社が提供している多要素認証 (MFA) を設定していない、または重要性を認識していない
  • フィッシング詐欺に騙されやすい
    • メールやSMSの送信元を十分に確認せず、安易にリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いたりする
    • 緊急な状況を装う文面や巧妙な偽装に惑わされ、個人情報や認証情報を入力してしまう
  • ソフトウェアの管理を怠っている
    • パソコンやスマートフォンのOS、ウェブブラウザ、セキュリティソフトなどのアップデートを長期間おこなっていない
  • 高齢の投資家
    • 一般的にデジタル機器の操作に不慣れな場合がある
    • 認知能力の低下により、複雑な金融商品や詐欺的な誘いに対する判断力が弱まる可能性がある
    • アドバイザーや家族を過度に信頼したり、強引な販売手口に屈したりしやすい傾向が指摘されている

これらの弱点は、単に技術的な対策が不足しているだけでなく、オンラインでの行動の仕方や情報リテラシー、さらには年齢に伴う特性など、さまざまな要因によって生じます。

特に高齢の投資家は、物理的な面とデジタルな面の両方から、よりきめ細かいサポートと注意喚起が必要とされる層です。

セキュリティ意識向上の必要性

「自分は狙われるはずがない」「自分は騙されない」といった過信は、セキュリティ対策において最も危険な落とし穴のひとつです。

セキュリティ対策が不十分であれば、誰でも不正アクセスの被害者になる可能性があります。大切な資産を守るためには、「自分の身は自分で守る」という強い自己防衛意識を持つことが不可欠です。

単にセキュリティソフトを入れたり、パスワードを複雑にしたりといった一度きりの行動を指すのではありません。

サイバー攻撃の手口は絶えず進化しており、それに対応するためには、あなた自身もセキュリティに関する知識を継続的に学び、新たな脅威に対して柔軟に適応していく必要があります。

最近、証券会社各社も利用規約を改定し、利用者側にも相応のセキュリティ管理責任を求める傾向を強めています。これは、セキュリティが証券会社と利用者の「共同責任」であるという認識が広まっていることを示しています。

技術的な防御策がどれほど進歩しても、最終的なセキュリティの強度は、それを利用する人間の意識と行動に大きく左右されます。

セキュリティ対策は面倒で時間のかかるものと感じるかもしれませんが、それは自身の資産を守るための能動的な「投資」であると捉え、積極的に取り組む姿勢が求められます。

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万が一被害に遭ってしまったときの対処法と相談窓口

どれだけ注意深く対策をしていても、不正アクセスの被害に遭う可能性を完全にゼロにすることは困難です。

万が一、被害に遭ってしまった場合に備えて、迅速かつ適切な対処法を知っておくことが、被害の拡大を防ぎ、その後の対応をスムーズに進めるうえでとても重要です。

被害拡大を防ぐための初動対応

証券口座への不正アクセスや身に覚えのない取引に気づいた場合、まずおこなうべきは被害の拡大を最小限に食い止めるための迅速な行動です。

  • 証券会社への即時連絡
    直ちに取引先の証券会社に連絡し、不正アクセスがあったことを報告します。口座の一時的な利用停止、不正取引の調査、その他必要な措置を依頼してください。多くの証券会社は、不正利用に関する専用の相談窓口を設けています (例:SMBC日興証券)。
  • パスワードの変更
    被害に遭った証券口座のログインパスワードおよび取引パスワードを直ちに変更します。可能であれば、より強くて他とは違うものに設定し直してください。また、同じパスワードを他のサービスでも使い回していた場合は、それらすべてのアカウントのパスワードも変更する必要があります。
  • 不審な警告画面への対処
    インターネット利用中に、突然「ウイルスに感染しました」といった警告画面が表示され、特定の電話番号への連絡を促される場合がありますが、これはサポート詐欺の可能性が高いです。画面上の電話番号には絶対に電話せず、まずはブラウザを閉じるか、パソコンを再起動するなどの対応を試みてください。

不正アクセスが発生した後の対応において、最も重要なのは「スピード」です。

攻撃者は時間を置かずにさらなる不正行為を試みる可能性があるため、一刻も早く口座を保護し、攻撃者の活動を止めることが肝心です。

警察への被害の届出と関係機関への情報共有

証券会社への連絡と並行して、公的な機関への届出も検討すべきです。

  • 警察への相談・被害届の提出
    最寄りの警察署、または警察相談専用電話「#9110」に連絡し、不正アクセスの被害について相談してください。状況によっては、被害届を提出することが求められます。
  • 金融庁・関係団体への情報提供
    被害の状況や手口によっては、以下の機関への情報提供も有効です。
    • 金融庁 金融サービス利用者相談室:電話 0570-016811 (IP電話からは 03-5251-6811)
    • 証券取引等監視委員会 情報提供窓口:電話 0570-003581 (IP電話からは 03-3581-9909)
    • 日本証券業協会 投資詐欺被害防止コールセンター:電話 0120-344-999

証券会社は個別の口座に関する対応をおこないますが、警察は犯罪捜査を、金融庁や証券取引等監視委員会、日本証券業協会は市場全体の公正さの維持や投資家保護の観点から対応をおこないます。

被害をこれらの機関に報告することは、同様の被害の再発防止や、より広い範囲への注意喚起、そして場合によっては犯人逮捕に繋がる可能性があり、個人の救済だけでなく社会全体のセキュリティ向上にも貢献します。

調査・補償請求のための証拠の保全

不正アクセスの被害に遭った場合、その後の調査や、場合によっては証券会社への補償請求のために、関連する証拠を可能な限り保存しておくことが重要です。

具体的には、以下のような情報を記録・保存しておきましょう。

  • 不審なメールやSMS
    受信日時、送信元アドレス、本文内容、リンク先URLなどを、可能であればメールヘッダ情報も含めて保存
  • 不正な取引の記録
    身に覚えのない取引履歴のスクリーンショット、取引日時、銘柄、金額など
  • 不正なログイン試行の記録
    ログイン履歴画面のスクリーンショット、アクセス日時、IPアドレス、使用された端末情報など
  • 証券会社や警察とのやり取りの記録
    電話での会話内容のメモ (日時、担当者名、要点)、メールでの連絡内容など
  • その他、被害に関連すると思われる情報すべて

これらの客観的な記録は、被害状況を正確に把握し、第三者に説明するときに不可欠です。

特に、補償に関する話し合いにおいては、いつ、どのような事象が発生し、どのように対応したかを示す証拠が、自身の主張を裏付けるうえで強力な材料となり得ます。

知っておくべき補償制度

証券口座への不正アクセスによる被害に関して、2025年に入り、大手証券会社およびネット証券会社10社が、2025年1月以降に発生した事案を対象に、各社の約款の定めに関わらず一定の被害補償をおこなう方針で合意しました。

ただし、この補償は無条件におこなわれるものではなく、個別のケースごとに判断されます。

日本証券業協会や各社の発表によると、補償の可否や内容は、以下の要素を総合的に考えて決定されるとしています。

  • 被害の具体的な状況
  • 顧客 (被害者) 側のIDやパスワードの管理状況 (例:推測されやすいパスワードの使用、パスワードの使い回し、MFAの未設定など)
  • 証券会社側がおこなっていた不正アクセス防止のための対策や注意喚起の状況

つまり、顧客側に明らかな落ち度 (基本的なセキュリティ対策を怠っていたなど) が認められる場合には、補償が受けられない、あるいは減額される可能性があるということです。

補償に関する具体的な手続きや、よりくわしい内容については、被害に遭った顧客に対して各証券会社から個別に連絡がおこなわれる予定です。

この補償制度の存在は被害者にとって希望となりますが、同時に、あなた自身が日頃から適切なセキュリティ対策を取ることが、万が一のときに自身の権利を守るうえでも重要といえます。

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まとめ:安全な投資のためにセキュリティ意識を持とう!

最近急増している証券口座への不正アクセスの現状、その手口と目的、そして個人投資家が自身の資産を守るためにおこなうべき具体的なパスワード管理方法と最新のセキュリティ対策についてくわしく説明してきました。

フィッシング詐欺の巧妙化、マルウェアの潜在的な脅威、パスワードリスト攻撃の危険性、そしてそれらに対抗するための強くて他とは違うパスワードの作成と管理、多要素認証 (MFA) の積極的な活用、ソフトウェアの定期的なアップデート、安全なオンライン習慣の確立、そして口座の継続的な監視が重要です。

これらの対策をおこなうことは、一度設定すれば終わりというものではありません

サイバー攻撃の手口は日々進化し、新たな弱点が見つかる可能性も常に存在します。したがって、セキュリティ対策は継続的に必要なことであり、常に最新の情報を手に入れ、自身の知識と対策をアップデートしていく努力が求められます。

証券会社もセキュリティ強化に多くの力を注いでいますが、最終的に個々の口座の安全を守る最前線にいるのはあなた自身です。「自分の身は自分で守る」という意識を持ち、主体的にセキュリティ対策に取り組むことが、これからのデジタル金融時代において不可欠な心構えと言えるでしょう。

セキュリティ対策に時間と労力を割くことは、単なる手間やコストではなく、自身の貴重な金融資産を保護するための重要な「投資」であると認識すべきです。株式の銘柄分析やポートフォリオの分散化と同様に、セキュリティ対策もまた、賢明な資産運用に欠かせない一部なのです。

技術的なツールやサービスは数多く提供されていますが、それらを効果的に機能させるのは、最終的には利用者のセキュリティ意識、警戒心、そして日々の行動です。フィッシング詐欺のような攻撃は、しばしば人間の心理的な隙や油断を突いてきます。

この記事で解説した各種対策を実践し、セキュリティ第一の考え方を日々の投資活動に取り入れることで、不正アクセスの危険を大幅に減らし、より安心して資産運用に取り組むことが可能となるでしょう。

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この記事を書いた人

Takeshi Hamayaのアバター Takeshi Hamaya BLST WEB代表

BLST WEB 代表 で、SEOコンサルタント。 Googleアナリティクス個人認定資格や Google 広告の測定認定資格を所有しており、サイト表示速度改善サービスを提供するなど、WordPress / アクセス解析を得意としている。

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