「カスペルスキーはロシアの会社だけど、使っても大丈夫?」
「アメリカで禁止されたと聞いたけど、日本では?」
ウイルス対策ソフトとしてのカスペルスキーを、公式の発表と第三者機関のテストをもとに整理しました。
- 米国は2024年、ロシア政府の影響下にあることなどを理由に販売を禁止した。検出力が低いという理由ではない
- 日本では今も販売とサポートが続いていて、第三者機関のテストでは防御の点数は満点
- 使うかどうかは、製品の性能だけでなく「運営する国のリスクをどう考えるか」で決める。Windowsだけなら標準のDefenderで足りる人も多い
米商務省・カスペルスキー・AV-TEST・Microsoftの公式情報は2026年9月26日に確認した内容です。
米国で販売が禁止された理由
米商務省は2024年6月20日、カスペルスキーの製品とサービスが、米国の国家安全保障にとって許容できないリスクがあると判断し、米国での提供を禁止しました(米商務省の発表)。
米商務省が挙げた理由は、次の4つです。
- ロシア政府の管轄下にあり、情報の提出を求められれば従わなければならない
- ウイルス対策ソフトとして、利用者の端末や情報に広い権限を持っていて、そのデータがロシアに送られるおそれがある
- 製品を通じて、不正なソフトを入れたり、必要な更新を止めたりできる立場にある
- 他社の製品やサービスに組み込まれて、広く使われている
つまり、「ウイルスが見つかった」ではなく、「そうできる立場と能力がある」ことをリスクと判断したものです。
米国では、2024年7月20日から新しい契約が、9月29日からはウイルス定義の更新などの提供や転売が禁止されました(米商務省)。
カスペルスキーの反論
カスペルスキーは、この決定は製品の安全性を総合的に評価したものではなく、地政学的な情勢や理論上の懸念にもとづくものだと反論しています(カスペルスキー日本法人の声明)。
信頼できる第三者機関が製品の安全性を検証できる仕組みを提案したものの、受け入れられなかったとしています。
日本では使える?
2026年9月時点で、日本ではカスペルスキーの販売とサポートが続いています(カスペルスキー日本の公式サイト)。
カスペルスキーは、2017年から「グローバルな透明性への取り組み」として、脅威に関するデータの保存と処理の大部分をスイスに移し、独立した機関によるソースコードの確認を受け入れていると説明しています(カスペルスキー公式)。
一方で、会社がロシアに本社を置く以上、米商務省が挙げた「ロシア政府の管轄」という点は、こうした取り組みで変わるものではありません。
どこまでをリスクと考えるかは、使う人の判断になります。
会社や学校の端末では、組織の方針を確認してください。
ウイルスを防ぐ力は?第三者機関のテスト
ドイツの第三者機関AV-TESTは、家庭向けのウイルス対策ソフトを「防御」「動作の軽さ」「使いやすさ」の3項目、各6点満点で評価しています(AV-TEST)。
| ソフト | 防御 / 軽さ / 使いやすさ | テスト時期 |
|---|---|---|
| カスペルスキー プレミアム | 6 / 6 / 6 | 2026年5〜6月・Windows 11 |
| Microsoft Defender (Windows 標準) | 6 / 5.5 / 6 | 2026年5〜6月・Windows 11 |
カスペルスキーは3項目とも満点で、ウイルスを防ぐ力は高い評価です。
ただ、Windowsに最初から入っているMicrosoft Defenderも、防御の点数は同じ満点でした。
防ぐ力だけを比べるなら、大きな差はないというのが、今のテスト結果です。
Windows標準のDefenderで足りる人・足りない人
Windowsには「Windowsセキュリティ」が組み込まれていて、Microsoft Defenderウイルス対策などで、起動した瞬間から端末を守っています(Microsoft公式)。
| Defenderで足りる人 | 有料のソフトを考えたい人 |
|---|---|
| Windowsのパソコンだけを守りたい | Mac・iPhone・Androidもまとめて守りたい |
| パスワード管理やVPNは別に用意している | パスワード管理・VPN・流出チェックを1つにまとめたい |
| 公式以外からソフトを入れない | 家族の端末もまとめて管理したい |
どのソフトを使っても、公式以外からソフトを入れない、メールやSMSのリンクから開かない、といった使い方の注意は変わりません。
情報を盗むマルウェアの手口は「パスワードの管理方法」「二段階認証なのに乗っ取られた原因は?」で解説しています。
カスペルスキーのプランの違い
日本では、スタンダード・プラス・プレミアムの3つのプランが販売されています(公式サイトのプラン比較)。
| 機能 | スタンダード | プラス | プレミアム |
|---|---|---|---|
| ウイルス・マルウェアからの保護 | ○ | ○ | ○ |
| データ漏洩チェッカー | — | ○ | ○ |
| 無制限の高速VPN | — | ○ | ○ |
| パスワードマネージャー | — | ○ | ○ |
| 専門家によるPCヘルスチェック | — | — | ○ |
プレミアムは、最大20台まで使えます。
どのプランにも30日間の返金保証があります。
料金はキャンペーンで変わり、最初の契約期間が終わると更新料金になるので、申し込む前に公式サイトで確かめてください。
迷ったときの考え方
- Windowsだけで、使い方に気をつけられるなら、まずは標準のDefenderで十分なことが多い
- 複数の端末やパスワード管理までまとめたいなら、有料のセキュリティソフトを比べる
- カスペルスキーを選ぶかどうかは、テストの点数に加えて、運営する国のリスクをどう考えるかで決める
- 会社や学校の端末では、組織の方針に従う
乗っ取りや流出を防ぐほかの方法は「乗っ取り・カード情報の流出を防ぐガイド」にまとめています。
よくある質問
カスペルスキーにウイルスや不正な機能が入っているの?
米商務省の判断は、「そうできる立場と能力がある」ことをリスクとしたもので、不正な機能が見つかったという発表ではありません。
カスペルスキーは、第三者による検証を提案したと反論しています。
日本でも禁止される?
2026年9月時点で、日本での販売とサポートは続いています。
今後の扱いは、公式の発表を確認してください。
カスペルスキーとDefenderは一緒に使える?
ウイルス対策ソフトは、基本的に1つにします。
ほかのウイルス対策ソフトを入れると、Defenderのウイルス対策は自動で止まります。
どちらが有効かは「Windowsセキュリティ」の画面で確認できます。
カスペルスキーVPNとは?
カスペルスキーのVPNで、プラス・プレミアムのプランには無制限のVPNが含まれます。
VPN単体の製品もあります。
まとめ
米国はカスペルスキーを、製品の性能ではなく、ロシア政府の影響下にあることなどを理由に禁止しました。
日本では販売が続いていて、第三者機関のテストでは防御の点数は満点です。
ただ、Windows標準のDefenderも同じ満点でした。
性能・必要な機能・運営する国のリスクの3つを並べて、自分に合うかを決めてください。
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