「旅行先で残高を確認したい」「海外から振込はできる?」
結論から言うと、旅行などの短い滞在なら、多くの銀行でネットバンキングは使えます。
ただし、銀行の案内は「海外からも使える」とする銀行と、「国内での利用が前提」とする銀行に分かれます。
そして実際につまずくのは、ログインそのものより本人確認(認証)です。
たとえば三菱UFJ銀行は、スマホアプリとアプリのワンタイムパスワードを日本国内での利用に限っています。
みずほ銀行は、日本の携帯電話番号が使えないとSMS認証ができないと案内しています。
この記事では、主要銀行の公式の案内を1行ずつ確かめ、出発前に何をしておけば旅行先で困らないかをまとめました。
- 自分の銀行が海外からの利用をどう案内しているか確認する(下の表)
- 認証の方法を確認し、国内限定の方法やアプリの登録は出発前に済ませる
- 日本の電話番号でSMSを受け取れる状態にしておく(日本のSIMは抜かない)
銀行・携帯会社の情報は、各社の公式の案内を2026年9月26日に確認した内容です。変わることがあるため、出発前にリンク先で最新の案内をご確認ください。
主要10行の海外からの利用(公式の案内)
旅行など一時的に海外にいる場合について、各行の公式の案内をまとめました。
| 銀行 | 公式の案内 | 認証・アプリの注意 |
|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 海外からも利用できる | スマホアプリとアプリのワンタイムパスワードは国内限定。ブラウザ版とカードを使う |
| 三井住友銀行 | 一時的な滞在なら利用できる | アプリの海外利用の個別の案内は見当たらず。海外からはフリーダイヤル不可 |
| SBI新生銀行 | 海外でも利用できる | SMS認証は海外で受信できれば可。スマホ認証も海外で使える |
| 楽天銀行 | 旅行中の個別の案内は確認できず | ワンタイムキーはメールで届く。IP制限を設定していると取引できない |
| ソニー銀行 | 旅行中の個別の案内は確認できず | 2026年8月のアプリ刷新で再登録が必要(電話番号の認証あり) |
| みずほ銀行 | 国内での利用が前提 | 日本の携帯番号が使えないとSMS認証不可 |
| ゆうちょ銀行 | 国内での利用が前提 | 認証アプリも国内前提。登録手続きには電話番号への確認コードが必要 |
| ドコモSMTBネット銀行 (旧・住信SBIネット銀行) | 国内での利用を想定 | 海外からは使えない場合あり |
| PayPay銀行 | 動作保証の対象外 | 利用は自己責任 |
| 横浜銀行 | 一時的な滞在なら利用できる | 国・地域によっては使えない |
「国内での利用が前提」は、「海外からは絶対に使えない」という意味ではありません。
使えることもありますが、銀行は動作を保証しておらず、使えなくても対応してもらえない、ということです。
旅行中に必ず済ませたい振込や支払いがあるなら、出発前に済ませておくのが確実です。
地方銀行の場合
地方銀行も、「一時的な滞在なら使えるが、申し込みは国内から」という案内が多く見られます。
東邦銀行は、旅行など一時的に海外に行く場合は、残高照会など資金の移動がない取引に限ることをすすめると案内しています。
振込先を間違えたときに、銀行から連絡がつかないことがあるためです。
地方銀行を使っている人は、銀行名と「海外から」で検索し、公式のよくある質問を確認してください。
海外でつまずくのは「認証」
ネットバンキングでは、ログインや振込のたびに、ワンタイムパスワードやSMSのコードで本人確認をします。
この本人確認の方法が、海外では使えなくなることがあります。
自分の銀行の認証が、次のどれにあたるかを先に確認しておきます。
| 認証の方法 | 海外では | 例 |
|---|---|---|
| SMSのコード | 日本の番号を生かしておけば届く | みずほ銀行・SBI新生銀行 |
| メールのコード | メールが見られれば届く | 楽天銀行 |
| アプリの承認・コード | 銀行によっては国内限定 | 三菱UFJ銀行(国内限定)・SBI新生銀行(海外可) |
| カード型のパスワード | 持っていれば使える | 三菱UFJ銀行のワンタイムパスワードカード |
アプリの認証が国内限定の銀行がある
三菱UFJ銀行は、公式の案内で、スマホアプリとアプリのワンタイムパスワードは日本国内での利用に限ると明記しています。
アプリのワンタイムパスワードを使っている人は、出国前に切り替えの手続きが必要です。
海外では、ワンタイムパスワードカードを持って出国し、スマホのブラウザ版かパソコン版を使います。
ワンタイムパスワードカードは海外へ送ってもらえないため、忘れずに持っていきます。
アプリの登録・機種変更は出発前に済ませる
ゆうちょ銀行は、認証アプリの登録などの手続きで、登録している電話番号に確認コードを送ると案内しています。
確認コードを受け取れないと、手続きができません。
ソニー銀行は、2026年8月26日のアプリ刷新で、アプリの再登録が必要になりました。
再登録には、キャッシュカードの製造番号の入力と、登録電話番号での認証が必要です。
スマホの機種変更やアプリの再登録は、出発前に日本で済ませておくのが安全です。
SMSの認証コードが届かない
SMS認証のコードは、銀行に登録した日本の携帯電話番号に届きます。
みずほ銀行は、日本の携帯電話番号(020・070・080・090)を使えない場合、SMS認証は利用できないと案内しています。
SBI新生銀行も、海外でSMSを受信できる状態なら原則利用でき、海外の携帯電話会社の番号では利用できないとしています。
つまり、海外でも日本の電話番号を生かしておくことが条件です。
大手3社は、海外でのSMSの受信を無料としています。
ソフトバンクは、電波が入るエリアであればSMSは自動で届くと案内しています。
楽天モバイルは、出国前に my 楽天モバイルで「国際通話・国際SMS」と「海外ローミング」をオンにするよう案内しています。
コードが届かないときに確かめる順番と、携帯会社・格安SIMごとの条件は「海外でSMSの認証コードが届かない原因と対処法」でまとめています。
ただし、日本の回線でデータ通信をすると、海外ではパケット代が高くつきます。
日本のSIMを残して、データ通信だけeSIMにする
現地でSIMカードを差し替えると、日本の番号は使えなくなり、銀行のSMSも届きません。
いちばん困らないのは、日本のSIMは入れたままSMSの受信用にして、データ通信だけを海外用のeSIMに任せる方法です。
eSIMはスマホに書き込むタイプのSIMで、差し替えが要らず、出発前に日本で設定を済ませておけます。
たとえばSailyは、NordVPNと同じNord Securityが運営するデータ通信専用のeSIMで、世界200以上の国と地域で使えます。
データ通信専用なので電話番号は付きませんが、日本のSIMと組み合わせれば、SMSは日本の番号で受け取り、ネットはSailyで使う、という分担ができます。
デュアルSIMの設定は「デュアルSIMで海外旅行を安くする方法」、eSIMの比較は「海外eSIM・SIMカードおすすめ5選」で解説しています。
メールで届く銀行は、海外でも受け取りやすい
楽天銀行は、振込などで使うワンタイムキーを、登録したメールアドレスに送る仕組みです。
メールが見られれば海外でも受け取れるため、SMSより困りにくい方法です。
ただし、楽天銀行のIP制限サービスを設定している人は注意が必要です。
登録した回線(自宅など)以外からは、暗証番号が必要な取引ができなくなるためです。
ワンタイム認証で一時的に解除できるので、出発前に手順を確認しておきます。
中国などでは、アプリの通知が届かないことがある
SBI新生銀行は、スマホ認証のプッシュ通知が届かない原因として、その国でAppleやGoogleの利用や通信が制限されている可能性を挙げています。
中国のようにGoogleのサービスが使えない国では、事前の対策が必要です(中国のネット規制の仕組みと回避方法)。
ログインできない・ロックされたときの対処
- Wi-Fiとモバイル通信を切り替えて、もう一度試す
- アプリで入れないときは、スマホのブラウザ版やパソコン版で試す
- パスワードを何度も間違えない(ロックされると、海外からの解除に時間がかかる)
- 銀行に問い合わせる(海外からはフリーダイヤルを使えない銀行がある)
三井住友銀行は、海外からはフリーダイヤルでの問い合わせを受けられず、書面でのやりとりもできないと案内しています。
三菱UFJ銀行も、通知物やワンタイムパスワードカードを海外へは送れないとしています。
出発前に、海外からかけられる問い合わせ先を控えておきます。
スマホをなくしたら、まず銀行に止めてもらう
銀行アプリの入ったスマホを旅行中になくしたら、まず銀行に連絡して、アプリやネットバンキングの利用を止めてもらいます。
問い合わせ先を控えておくのは、このためでもあります。
海外から振込はできる?
日本国内の口座への振込は、ネットバンキングが使えれば、海外からでも操作は国内と同じです。
振込の受付時間やメンテナンスの時間は日本時間なので、現地の時間に直して確認しておきます。
ただし、三菱UFJ銀行は、投資信託など取引によっては海外から使えない場合があるとしています。
SBI新生銀行は、SMS認証で振り込める金額を1日200万円までとしています。
海外の口座へ送るのは「外国送金」という別のサービスで、出国前の申し込みが必要な銀行もあります。
三菱UFJ銀行は、海外に出国する予定の人は、ネットバンキングから外国送金を新たに申し込めないとしています。
空港やホテルのWi-Fiで銀行にログインしていい?
銀行のサイトやアプリの通信は暗号化されているため、公共Wi-Fiにつないだだけで、中身がそのまま読まれるわけではありません。
危ないのは、本物そっくりの偽のWi-Fiや、偽のログイン画面に誘導されることです。
偽のログイン画面にパスワードとワンタイムパスワードを入れてしまうと、その場で不正にログインされます。
- できればWi-Fiではなく、モバイル通信(eSIMなど)で銀行につなぐ
- Wi-Fiを使うなら、VPNで通信全体を暗号化する
- 銀行へは、ブックマークか公式アプリからアクセスする
- メールやSMSのリンクからはログインしない
ホテルや空港でWi-Fiを使うなら、VPNを入れておくと安心です。
NordVPNは、Wi-Fiの通信を暗号化するだけでなく、詐欺サイトやフィッシングサイトを開く前にブロックする機能が全プランに付いています。
偽のログイン画面に誘導される危険を、通信と接続先の両方から減らせます。
30日間の返金保証があるので、旅行の間だけ試して、合わなければ返金を受けることもできます。
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海外のWi-Fiの注意点は「海外旅行のWi-Fiは危険?」「ホテルWi-Fiは危険?」でまとめています。
偽の画面でコードまで入力させる手口は「二段階認証なのに乗っ取られた原因は?」で解説しています。
VPNは必要?使ってもいい?
VPNは、銀行を使うために必須ではありません。
海外からの利用を認めている銀行なら、VPNなしでそのまま使えます。
VPNが役に立つのは、公共Wi-Fiを使うときの安全対策です。
一方で、「国内での利用が前提」とする銀行で、VPNを使って日本からの接続のように見せる使い方はおすすめしません。
銀行が動作を保証していない使い方になり、うまくいかなくても対応してもらえないためです。
銀行のアプリによっては、VPNをつないだままだと接続できないこともあります。
その場合はVPNを一時的に切り、モバイル通信でつなぎます。
海外でのVPNの使い方は「海外旅行におすすめのVPNと正しい使い方」で解説しています。
海外赴任・留学で住所を移す人は別の手続き
旅行と違い、海外に住む(非居住者になる)と、多くの銀行で口座そのものが使えなくなります。
- 三井住友銀行:長期間の海外滞在(海外勤務など)ではネットバンキングを使えない。海外在住者向けのサービスがある(公式)
- みずほ銀行:ネットバンキングの申し込みは国内に住む人に限る。海外勤務者向けの国内送金サービスがある
- 楽天銀行:海外赴任などで非居住者になると口座は使えない(公式)
- PayPay銀行:現住所が日本国内でないと口座を持てない
- SBI新生銀行:海外へ転出(住民票を抜く)する場合は、原則として口座を解約
- ゆうちょ銀行:海外に長期赴任する場合は、できるだけ口座の解約を依頼している
- ソニー銀行:日本国籍なら、手続きをすれば海外に転居しても口座を使える(公式)
赴任や留学でのネット環境は「海外赴任で必須のVPN」「海外留学・ワーホリでVPNが必要な理由」で扱っています。
旅行前に用意しておくと困らないもの
ここまでの内容を、旅行前に用意するものとしてまとめます。
| 困りごと | 用意するもの |
|---|---|
| SMSのコードが届かない | 日本のSIM+データ用のeSIM 日本の番号でSMSを受け取り、ネットはeSIMで使う |
| アプリの認証が使えない | ワンタイムパスワードカード・出発前の切り替え 国内限定のアプリ認証を避ける |
| ホテル・空港のWi-Fi | VPN 通信を暗号化し、偽サイトへの接続も防ぐ |
| ログインできない | 海外からの問い合わせ先の控え フリーダイヤルが使えない銀行がある |
データ通信はSaily、Wi-Fiの安全対策はNordVPNのように、同じNord Securityのサービスでそろえておくと、旅行中の通信と安全をまとめて用意できます。
出発前チェックリスト
- 自分の銀行の「海外からの利用」の案内を確認する
- 認証がアプリ限定・国内限定なら、出発前に切り替える
- スマホの機種変更やアプリの再登録は、日本で済ませる
- ワンタイムパスワードカードを使うなら、持っていく
- 日本のSIMは抜かず、データ通信は海外用のeSIMにする
- 楽天モバイルなどは、出国前に海外SMSの設定をオンにする
- 楽天銀行でIP制限を使っているなら、一時解除の手順を確認する
- 必ず済ませたい振込は、出発前に済ませる
- 銀行の海外からの問い合わせ先を控える
- 公共Wi-Fiを使うなら、VPNを入れておく
よくある質問
海外でSMSを受け取るのにお金はかかる?
ドコモ・au・ソフトバンクは、海外でのSMSの受信を無料としています。
送信は1通100円かかります。
データ専用のeSIMでも、銀行のSMSは届く?
届きません。
データ専用eSIMには電話番号が付かないためです。
日本のSIMを入れたまま、データ通信だけをeSIMで使えば、日本の番号宛てのSMSを受け取れます。
ワンタイムパスワードカードを忘れた。海外に送ってもらえる?
三菱UFJ銀行は、ワンタイムパスワードカードを海外へは送れないと案内しています。
出発前に必ず持っていきます。
楽天銀行は海外から使える?
旅行中の利用についての個別の案内は見当たりませんでしたが、振込などのワンタイムキーはメールで届く仕組みです。
IP制限サービスを設定している場合は、登録した回線以外から暗証番号が必要な取引ができないため、ワンタイム認証で一時解除します。
VPNを使えば「国内での利用が前提」の銀行も使える?
使える場合もありますが、おすすめしません。
銀行が動作を保証していない使い方で、不具合があっても対応してもらえないためです。
証券口座やマイナポータルも同じ?
SMS認証や国内での利用を前提にしたサービスが多く、考え方は同じです。
出発前に、各サービスの海外からの利用についての案内を確認してください。
まとめ
旅行中の海外からのネットバンキングは、多くの銀行で使えます。
ただし、国内での利用を前提にしている銀行もあり、アプリやSMSの認証が海外で使えないことがあります。
出発前に銀行の案内・認証の方法・日本の電話番号の3つを確認しておけば、旅行先で困ることはほとんどありません。
そのうえで、データ通信はeSIM、ホテルや空港のWi-FiではVPNを使えば、お金の手続きも旅行中の通信も安心です。
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